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『コロンブスの電磁気学』増補改訂版の概略 
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『コロンブスの電磁気学』の概略

 

このたび『コロンブスの電磁気学(発行:春日書房)』を出版する事が出来ましたので、その概略を以下に記述いたします。


本著と申しますより『コロンブスの電磁気学』増補改訂版(価格:6000円)を
ご購入ご希望の方は、ご住所ご氏名をご連絡下さい。
送料当方負担にて送らせて頂きます。


 

1 コロンブスの電磁気学の序文

 

 本著は、従来の電気に関する根本的理論を殆ど全て塗り替えています。

 

そして、新たに打ち立てた理論は、その根拠は、全てコロンブスの卵です。

従って、本著の題名を『コロンブスの電磁気学(The Electromagnetics of Columbus’ Egg)』と命名しました。

 

そして、本著をお読みになればどなたも「え!こんな事!俺だって気が付いたよな!」、「でも、何故今まで気が付かなかったのだろう?!」との類ばかりだと存じます。

 

 いわんや、ファラデー(Michael Faraday)にしても、私が使わせて頂いた装置を使っていたら、私と同じ理論を形成していたかもしれません。

それでも、ファラデーは当時の貧弱な装置を用いて、余りにも見事な理論を構築してしまった為に、彼の発見以降、150年以上も彼の理論を疑う人がいなかったわけです。

 

 特に、私達の電気的生活の全ては、彼の「電磁誘導の法則」を基礎にしていると言って過言ではないでしょう。

しかし、私は、この「電磁誘導の法則」を謹んで破棄させて頂きました。

 

 更には、「電流は、電荷(電子)の流れ」との固定観念も完全に破棄させて頂き、直流と交流の壁を取り除きました。

 

これらを背景に、従来、電気の世界で存在していた「直列接合」、「並列接合」に加えて『縦列接合』を登場させる事に成功しました。

 

 これらの結果、「コンデンサ」、「コイル」、「トランス」、「発電機」、「トランス」、「アンテナ」などに関して、新しい理論の構築に成功しました。

 

 そして、これらの理論は、難解な数式を駆使して構築されたものではありません。

歩きながら考えたり、泳ぎながら考えたり、食事をしながら考えたり、布団の中で考えたり、夢の中で考えたりしたイメージに基づくものです。

そして、そのイメージを実験で確認し、時には、折角作った理論を考え直し、実験のやり直し、更には、有限積分法に基づく電磁波解析ソフトを使用してのシミュレーションの連続の結果生まれたものです。

 

 ですから、本著をお読みくださる方は、勉強するとのお気持ちではなく、謎解きを私と一緒に行う感覚を抱いて下さると幸いと存じます。

 

 そして、私の全ての理論が「コロンブスの卵」である事をご確認下さい。

 

 更には、固定観念、世間の常識に囚われる恐ろしさを体感して頂き、「コロンブスの卵」の貴重さを実感して頂ける事を切に願っています。

 

 

 

2 電気の流れ(シングルエンド的な流れではなく、伝送路的な流れ)

 

私達は、小中学校以来「電池の電気は、プラス電極からマイナス電極へ流れ、電子がマイナス電極からプラス電極へ流れる」と教わってきました。

こんなややこしいことなら、いっそ「電子はプラス」と決めてくれれば、「電気は、電子の流れであって、電気はプラス電極からマイナス電極へ流れる」となって理解し易いのにと思っていました。

 

後年、ラジオやオーディオ・アンプを組み立てる際は、電源から出た各線は、真空管、トランジスタ、抵抗、コンデンサ、コイルなどのエレメントを経由させた最後を、みなシャーシ(グランド)に落としました。

そして、シャーシ(グランド)の電圧レベルは何処も、ゼロ・ボルトということで、シャーシに落ちた電流は、リターン電流として電源に戻ると、教わりました。

 

そして、このような「電源から出て、各エレメントを経由した後、電圧レベルがゼロのグランドへ落とし、リターン電流を電源に戻す」という電流の流れを「シングルエンド」と言う事を知りました。

 

本当にそうでしょうか?

 

この点を確認する為に次の観測実験を行いました。

一般的な電気配線用単線(0.5φ)を用いて、「図:1」のように、抵抗:14を配線しました。

 





 このように抵抗を配置して電源から電流を流せば、従来説では電気はプラスからマイナスへ流れるのですから、各抵抗の両端の電圧は、抵抗:1234の順に変化するはずです。

しかし、実測結果は次の通りです。

 



測定結果:1 電圧のミクロ的変化(矢印は電流到達時)


 如何ですか?

電源のマイナス側に接続した「抵抗:4」が、プラス側に接続されている「抵抗:2」よりも早く電圧を検出しています。

即ち、電気は、電源からプラス/マイナス同時に流れ出しているのです。

 

 そこで以下に於いては、従来、私達が、小中学校以来習ってきた「電池の電気は、プラス電極からマイナス電極へ流れ、電子がマイナス電極からプラス電極へ流れる」と間違って教わってきた電気の流れを「シングルエンド的な流れ」と称し、此処で実証した「電源からプラス/マイナス同時に流れ出している」との流れを「伝送路的な流れ」と呼称する事とします。

 

 

 

3 直流も交流も同じ電気

 

 私は、直流と交流とはあたかも異なる電気のように教わってきました。

 

 先ずは電流の流れを、図:2のような「ところてん方式」で説明される方が居られます。(米田聡氏DOSVmagazine2003.6.1

(なにしろ、電気は光速で移動します、でも、電子は光速で移動する事が不可能です。なにしろ、光速で移動する物体の質量は、相対性理論上では無限大となってしまいますから。)

 

 この説明からは、いわゆる交流の流れが分りません。

交流も「電子の流れ」であったら、この電子は、その電子の量を常に変化させて流れなければなりません。

それもプラスになったり、マイナスになったりするには、どうしたらよいのでしょうか!?

 

そこで、後藤尚久氏(拓殖大学工学部教授)は、図:3のような水の流れモデルを持ち出し、直流と交流の流れ方の相違を表現しようとしています。

 

図:3

 でも、おかしくありませんか?

 

 このおかしさを以下に説明して行きます。

一般的に、「太陽電池からは直流が発生する」と考えられています。

しかし、屋根の上に載せられた太陽電池は昼間は盛大に発電しますが、夜は沈黙です。

このような発電状態をマクロ的に(例えば1日を1秒と考えるとか)観察すれば、この太陽電池は交流を発生していると看做す事が可能ではありませんか?

 

 そこで、1本の回転軸に2枚の太陽電池を背中合わせに張り合わせて(暗箱の中に入れ)回転させながら、一方づつの太陽電池に懐中電灯の光を当てる(図:4)と、「測定結果:2」を得ます。

 



図:4


測定結果:2 太陽電池出力結果(逆相直列)


2-1)太陽電池個々の出力 2-2)太陽電池合成出力


 即ち、直流発生電源である太陽電池から立派に交流が得られます。

又、乾電池の出力電圧も、僅かであっても温度依存性がありましょう。

ですから、乾電池の周辺温度を周期的に変化させれば、(ミクロ的に観測すれば)、又、可変抵抗器に接続してその抵抗値を周期的に変化させた場合も、乾電池から交流が発生していると看做す事が可能です。

 

 従って、直流も交流も電気的の本質は全く同一である事が分ります。

そして、又、重要な事は(特に乾電池の場合が分りやすいのですが)電気は瞬間瞬間(乾電池の電極と原子間で電子をやり取りするごと)に発生しているのです。

 

 ですから、交流を例に取れば、波状の電気が発生しているのではなくて、その波を構成する電気が瞬間瞬間(パルス的に、或いは量子的に)に発生していて、それらを集約すると波的な変化をしていると言うことなのです。

この事は、LPレコードに刻まれた波と、CDに記録されるパルス波の相違に似ています。

44.1KHzのパルスの集合体がLPレコードに刻まれた波であり、又、私達に聞こえてくる音波の形状でもあるわけです。)

 

 更には、重要な事は、デジタル信号などで一般的に使用されているクロック信号も、従来は、フーリエ分解されて種々周波数のサイン波の集合体として解釈されていますが、この件も誤解なのです。

なにしろそのフーリエ分解されたサイン波自体が量子的な電気なのです。

 

 これらの認識の重要な背景は、ファラデーが唱えた「電気は近接作用である」なのです。

ある地点で電気の流れを観測している場合、直流か交流か、ひいてはパルス波かが判明するのは、それらの電気が流れた(少なくもその一部が流れた)後なのです。

電気がその観測点に来た瞬間には、直流か交流化の区別はなくただ電気が来た!だけが分るのです。

 

 

 

4 金属光沢こそが電気の本質ではないでしょうか!?

 

 「電気は電子の流れ」に固執すると、先の「図:23」のようなおかしな説明に陥ります。

“ではどうやって流れるのでしょうか?”

電磁波が電気を運ぶのです。

“でも、どうやって電磁波が電気を運ぶのでしょうか?”

 金属光沢の発生機構そのものが、電磁気と電気の関係そのものではないかと私は感じているのです。

(金属(導電性物質)以外の物質を如何に磨き上げても金属光沢は得られません。)

 

光は電磁波です。

この光、即ち電磁波が金属に当たりますと、金属が電気的反応をして、電磁波、即ち光を投げ返すのです。

(もう少し、段階的に説明しますと、電磁波が金属に到達すると、金属面の磁界が変化したことになります。

この磁界の変化によって、金属中の自由電子が回転運動を起こします。

この電子の回転運動によって電磁波が発生します。

(この機構が、金属光沢の秘密なのだと思うのです。)

このようにして、金属に到達して電磁波が、又、金属から電磁波として送り返されることの連続によって、電気(電磁波)が金属を伝って流れてゆくのです。

 

 この証拠を次の項で証明しましょう。

 

 

 

5 縦列接合の発見

 

先ずは、次の「図:5」ように、基本伝送路の層間に、ABの2枚の銅板を等間隔に挿入した伝送路系を銅板で製作し、基本伝送路側からパルス信号を入力して各末端間の電圧を測定しました。



 


表:1 銅板等各寸法

 

厚さ

長さ

導体間隔

基本伝送路用銅板

2mm

12mm

500mm(300mm+200mm)

3mm

挿入した銅板

0.1mm

12mm

200mm

1mm

 

 

 

 

 

 各末端間の電圧の測定結果としては、「測定結果:3」のように、基本伝送路の電圧が、各伝送路に等分割された結果が得られました。

 

測定結果:3

 

 銅板ABのどちらも、基本伝送路に機械的に接触していなくても、この2枚の銅板が形成する伝送路の末端には、他の伝送路とほぼ同様な電圧が観測されているのです。

(それも、基本伝送路の電圧をほぼ等分割した電圧が!)

このことから、銅板ABが形成する伝送路では、電気は電子の移動によって運ばれたのではなく電磁波の移動で運ばれたのだ!と言う事が明確になります。

 

 このことから、電気は電磁波で運ばれると言うことも明白となります。

そして、この伝送路系のように、伝送路を形成する各導体のいずれかが、基本伝送路に機械的に接触していない電気的接合を、以後「縦列接合」と命名したいのです。

 

この縦列接合の概念によって、従来一般的に電線を伝って流れると認知されている「電流」に加えて、コンデンサを通して流れる電流を、マクスウェルが唱えた「変位電流」と区別する必要が無く、両者とも同じ電磁波(電磁波キャッチボール)によって伝達されてゆく電流に統一されます。

  そして、マクスウェル方程式の解釈の変更を要求します。

 

 

 

6 コンデンサも、コイルも特殊な素子ではない

 縦列接合の概念の導入によって、コンデンサやコイルは(電荷を溜めたり、磁束を溜めたりする)特殊な素子ではなく、一般的な伝送路の一種である事が分ります。

 

 

 

7 新しいクロストーク論の確立

 クロストーク(crosstalk:漏話)の従来理論は、ファラデーの電磁誘導式によっています。

 即ち、隣接線へのクロストーク電圧(V)は、

V=L×dI/dt  (ファラデーの電磁誘導式)

   でも、これは錯覚で、本来の伝送路(能動伝送路)を流れる電流を運ぶ電磁波は、隣接伝送路(受動伝送路)にも同様な働きかけを行っており、その結果当然ながら、能動受動両伝送路とも同様な信号が流れるのです。
 例えば、写真:1〜4の
ような空気中を移行する電磁波(TEM波)だけで信号を伝達する伝送路系(全長:1メートル)を構築して、能動伝送路に500MHzのクロック信号を1パルス入力して、能動伝送路の入力部、出力部の電圧波形、受動伝送路の近端部(能動伝送路の入力側)、遠端部(能動伝送路の出力側)でのクロストーク値を測定した結果を「測定結果:4」に示します。
又、能動伝送路に1GHzのクロック信号を1パルス入力し、受動伝送路の各地点(始点、25cm、75cm、末端)でのクロストーク値を測定し「測定結果:5」に掲げます。
 これらの結果を見ると、本来の伝送路(能動伝送路)を流れる電流を運ぶ電磁波が、隣接伝送路(受動伝送路)にも同様な働きかけを行って、能動受動両伝送路とも同様な信号が流れ、更には、遠端まで行ったクロストークの電圧波形が正負逆転して近端へ戻ってきていることに気が付くのです。
(このため遠端部でのクロストーク値は差し引きゼロと観測されています。
しかし、何故クロストーク波形が遠端部で正負逆転するのかは、『コロンブスの電磁気学』をご参照下さい。)


写真:1
今回の実測に用いた伝送路系

写真:2
銅丸棒伝送路入り口
写真:3
銅丸棒伝送路吊糸
写真:4
銅丸棒伝送路末端

測定結果:4(500MHz) 測定結果:5(1GHz)



 しかし、一般的な伝送路(電線、導線)は、誘電体(有機物)で被覆されていたり、誘電体(ガラスエポキシ基板)上に形成されています。

 この結果、電気を運ぶ電磁波は、空気中を移動する電磁波と、誘電体中を移動する電磁波に分かれます。

 (分裂せずに進行する電磁波(例えば空気中のみを進行する電磁波)をTEM波、そして、このようにして進行する電磁波を非TEM波と呼んでいます)

 そこで、「図:5」のようにアクリル板をはさんだ銅板にて能動伝送路受動伝送路を形成して能動伝送路に3GHzのクロック信号を1パルス入力した際の各部での電圧波形を「測定結果:6」に示します。

図:5 測定結果:6(3GHz)


 この結果を見ると明らかなように、空気中を移行する電磁波は、誘電体中を移行する電磁波よりも早いため、
出力波もクロストーク波も、分裂して移行します。

 そして、当然ながら、その分裂の度合いは時間と共に増大します。

 この分裂の結果、信号波形は複雑に乱れます。

特に、受動伝送路の波形(クロストーク)の形状がより複雑となります。

 そして、その複雑化した形状が、「ファラデーの電磁誘導式」で求められたかのような形状となるため、“クロストークはファラデーの電磁誘導式”に従うと錯覚し続けてきたのです。

 そして、この結果から新しいクロストーク論が確立できるのです。

 

 

8 ファラデーの誤解

 クロストークが、「ファラデーの電磁誘導式」に起因しないとなると、「ファラデーの電磁誘導式」自体を疑わなくてはなりません。

 そして、(特に、空気中のみを伝わる電磁波によって形成され、且つ、、特性インピーダンスが一定の伝送路系で)クロストークをつぶさに検討しますと、先にも記述しましたように、受動伝送路にはクロストークとして常に能動伝送路と同じ形状の信号が観測されるのです。

 ところが、受動伝送路(無限長ではありませんから)には必ず末端があります、そして、この末端からクロストークが(又、能動伝送路側の末端から本来の信号が)帰ってきますと、クロストーク波形は、本来の信号と逆符号の波形を観測するのです。

 (簡単な例として、末端がショートしている場合)

 この結果、反射波が帰ってきた瞬間から、受動伝送路での観測値は、差し引きゼロとなってしまいます。

 更に、能動伝送路の信号がオフになった瞬間から暫くの間は、末端に向かって帰ってくる逆符号の信号のみを受動伝送路で観測することになりますから、当初観測していたクロストークと逆符号のクロストークを観測することになるのです。

 しかし、伝送路長は有限で、電磁波の速度は、秒速30万キロメートルですから、ファラデーの時代の観測機器では、クロストーク波形は、能動伝送路で信号がオンオフするその瞬間としてしか観測されなかったのです。

 でも、現在の観測機器では、はっきりと、クロストークが末端まで行って帰ってくる間、クロストーク信号がはっきりと観測されるのです。

 そして、又、能動受動伝送路の各末端状況によって、電気信号が伝送路を1往復してクロストークがゼロになるのか、または、2往復してゼロになるのかもはっきり区別して観測できます。
 これらの様相は「写真:1〜4」に示した伝送路系の能動伝送路側に、500MHz、そして又、10MHzのクロック信号を1パルス入力した際の、能動伝送路での入力波、そして、受動伝送路側での近端クロストーク波の観測結果を見れば直ぐに納得できます。

測定結果:7(500MHz&10MHz)

 更に、1KHzのクロック信号を1パルス入力した場合の能動伝送路側の入力波、出力波形、並びに、受動伝送路側で観測される近端クロストーク、遠端クロストークの測定結果を「測定結果:8」に掲げます。

測定結果:8(1KHz)


此処で明らかなように、近端クロストークが、能動伝送路での信号がオンオフしたその瞬間だけかすかに”棘状のクロストーク”が観測されています(目を凝らしてよく見てください)。
(遠端クロストークはこの場合も、プラスマイナスが相殺されてゼロと観測されています。)

 でも、この”棘状のクロストーク”を時間軸を拡大してみると「測定結果:9」のようになります。

測定結果:9
”棘状のクロストーク”を時間軸を1目盛:5ナノ秒に拡大して観測


 このように近端クロストークは先ほどの10MHzの場合同様に、近端から1メートル離れた遠端に向かいマイナス反射を受けて戻ってくる時間(約7ナノ秒の間)確実に存在しているのです。

 こんな事、誰でも気が付くのでは?とお思いになるでしょうが、誰もは、“クロストークはファラデーの電磁誘導の法則に従う”と信じていますから、気が付きません。

 そして、一般的な伝送路では存在しないTEM波伝送路系でクロストークを検討し直そうと誰もが思わなかったのでしょう。

(そして又、写真:14に示しましたTEM波伝送路系の構築こそが「コロンブスの卵」であると自負しているのです。)

 なにしろ、一般的な電気回路である特性インピーダンスが一定でない伝送路系で、且つ、非TEM波の伝送では、クロストーク形状は複雑になり解析が困難になるのですから。

そして、又、繰り返しますが、残念ながら「ファラデーの電磁誘導式」は、ファラデーの時代の測定器による導き出された誤解の産物だったのです。

 

 

 

9 新たなトランス理論の確立

 従来のトランス理論は、「ファラデーの電磁誘導式」に起因しているのですから、「ファラデーの電磁誘導式」が否定された今、新たなトランス理論を確立しなくてはなりません。

 なにしろ、「測定結果:10」の10〜1KHzの場合に見るように、断続的な直流信号であるクロック信号を流しても、出力波形が認められるのですから、「ファラデーの電磁誘導式」を廃棄しなくてはなりません。


測定結果:10

クロック信号のトランスからの出力波形

上から 0.1 110100Hz1KHz


 では何故、トランスの1次コイルから2次コイルへと電気が移行できるのでしょうか?

それは、「ファラデーの電磁誘導式」をお払い箱にした「クロストークの理論」です。

 でも、通常の伝送路でのクロストークですと、伝送路の末端まで行き帰って来るとその値はゼロとなってしまいます。

 そこで、トランスは1次側も2次側の伝送路ともコイルとなっているのです。

「ファラデーの電磁誘導式」に準拠して、1次側から2次側への出力電圧が、そのコイルの巻き数に比例するのなら、両側のコイルの巻き数は数巻きで十分なはずです。

 でも、トランスのコイルは何巻きも何巻きも沢山巻いています。

この事によって、周期的な電気信号の立ち上がり立下りは大幅に鈍り、反射信号のマイナス波形は、何周期にも渡る緩やかな波形となり(周期性が消滅した状態に近くなり)、結果的には各周期の反射信号は、合算されたマイナスのオフセット電圧的状態となり、2次側への出力波形は、1次側への入力信号のクロストークと、反射波のマイナスのオフセット電圧が出力されるのです。

 従って、継続的な直流の場合は、1次側への入力信号のクロストークが直流で、反射波のマイナスのオフセット電圧も直流的ですから、パルス的でない継続的な直流信号は、2次側への出力が得られないのです。

(勿論、0.1Hz、1Hzの場合なども「測定結果:9」のように時間軸を拡大すれば、その”棘状の波形”は、より高い周波数の10、100、1KHzの場合同様な波形として、観測されることは明らかです。) 

 

 

10 新しい発電原理

   従来の発電の原理も「ファラデーの電磁誘導式」に準拠しているのですから、破棄して新しい理論を打ち立てなくてはなりません。

  そして、この理論もクロストークの理論に準拠します。

  発電はコイルを磁石の前で回転させず、1枚の金属板を回転するだけで可能である事が分るのです。

   又、逆に、1枚の金属板の前で磁石を回転させても発電可能なのです。

  即ち、金属板の前の磁石の相対的な動きは、磁界の変化であり、その磁界の変化は電界の変化を誘起し、電磁波を発生したことになります。

  この電磁波によって、金属板が電磁波キャッチボールを行うこと、即ち、金属板に電流が流れること(発電)となるのです。

・・・

最後に『コロンブスの電磁気学』の目次を掲げます

1章 コロンブスの電磁気学の序文

2章 電気への疑問

 第2章 第1項 電気とは

 第2章 第2項 電気の流れ

3章 伝送路

 第3章 第1項 伝送路について

 第3章 第2項 伝送路の反射係数

 第3章 第3項 伝送路中の抵抗と反射係数の関係

 第3章 第4項 伝送路のインピーダンスによる多重反射

 第3章 第5項 特性インピーダンスの測定

 第3章 第6項 特性インピーダンスの異なる伝送路の測定

4章 アースに対しての誤解

 第4章 第1項 アース地点はゼロボルトの嘘

 第4章 第2項 アース処理してゼロボルトと過程

5章 縦列接合の登場

 第5章 第1項 縦列接合とは

 第5章 第2項 縦列接合伝送路を終端処理した場合

 第5章 第3項 縦列接合点に於ける反射係数

6章 マクスウェル方程式の解釈の変更(電流は存在しない)

7章 コンデンサに対する新しい認識

 第7章 第1項 コンデンサも伝送路です

  (補足)市販コンデンサの内部電圧変化に於ける異常な突起についての考察

  (補足)「コンデンサない電圧変化のイメージ」

 第7章 第2項 スタックト・ペア型とマイクロ・ストリップ型伝送路のコンデンサ

 第7章 第3項 コンデンサの動作原理(フィルタ型)

  (補足)フィルターコンデンサに到るまでのバイパス長

 第7章 第4項 バイパス型コンデンサの動作原理

  (補足)バイパスコンデンサまでの距離

 第7章 第5項 低インピーダンス電源ラインはバイパスコンデンサ

 第7章 第6項 異型伝送路コンデンサ

 第7章 第6項 異型伝送路コンデンサ

 第7章 第7項 従来説によるコンデンサ内の電圧変化式

 第7章 第8項 新しいコンデンサ論によるコンデンサ内の電圧変化式の導入

 第7章 第9項 誘電率への私見

8章 コイルに対する新しい認識

 第8章 第1項 コイルも伝送路です

 第8章 第2項 コイルの式的考察

9章 新しいクロストーク論の確立

 第9章 第1項 新たなクロストーク論

 第9章 第2項 新しいクロストーク論の実証実験(1)

 第9章 第3項 新しいクロストーク論の実証実験(2

10章 非TEM波でのクロストークに対する新たな理論

 第10章 第1章 スタックド・ペア伝送路1組で非TEM波環境での伝送

 第10章 第2章 コ・プレーナ伝送路の非TEM波環境での伝送

11章 ネットワーク・アナライザー結果への誤解

(補足:1)入力クロック信号の波長と、先行波、後進波の時間的ズレと、S2.1の関係

 (補足:2TEM波伝送の場合

12章 ファラデーの誤解

13章 新たなトランス理論の確立

 第13章 第1項 新しいトランスの理論の序

 第13章 第2項 直流でそして交流でトランスが動作する原理

 第13章 第3項 トランスの低周域特性

 第13章 第3項 トランスの低周域特性

 第13章 第4項 新しいトランスの理論の確立

14章 新しい発電原理

15章 新しいアンテナ理論の確立

 第15章 第1項 新しいアンテナ理論の確立の序

 第15章 第2項 新しい送信アンテナ理論の確立

 第15章 第3項 新しい受信アンテナの理論の確立

 第15章 第4項 インピーダンス・マッチングしたアンテナ

16章 表皮効果は誤解です

 第16章 第1項 表皮効果の序

 第16章 第2項 表皮効果の嘘を暴く

 第16章 第3項 伝送信号の立上り立下り特性劣化の原因究明

 第16章 第4項 送電ロスの低減

  (補足)光に対する私見
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『コロンブスの電磁気学』増補改訂版の概略
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